Published: September 2, 2024
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21) 担保率が非常に高く資本効率が悪いという特徴があった。DAIがCompound等で多く取引され発行高を伸ばしていた反面、SynthetixはsUSDをベースにBTCやETHをはじめとしたクリプトや、テスラ株やJPYなどのRWAまで、幅広い合成資産を発行・取引でき、

22) ベースの流動性であるSNXとsUSDを使って合成資産のバーンとミントを繰り返せばスリッページが不要になるということをアピールして市場シェアを伸ばしていった。そしてKwentaはそのSynthetixの流動性を活用する無期限先物取引所で、

23) Synthetix自体はKwenta以外にもあらゆる金融マーケットの流動性レイヤーとして拡張する方向性に舵を切っている。

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24) 流動性プールを作ってトレーダーのカウンターパーティにすることでスリッページを0にするというコンセプトのPerpetual DEXを紹介してきたが、そのコンセプトに懐疑的な意見も存在する。2022年9月にGMXはAVAX/USDの価格操作により流動性プールから$565kの資金が抜かれる事件に遭遇した。

25) これが起きた理由はGMXでの取引価格がオラクルを利用しており、価格参照先のCEXの価格さえ釣り上げることができれば無限にGLPの流動性を相手に有利な取引ができたのである。その後、GMXはOIの上限を設定することで価格操作攻撃を抑止しているが、

26) この事件をきっかけに「スリッページ0というのはおかしくて、流動性というのはコストがかかるものだ。」という考えを持つ人が増えた印象がある。確かに、伝統的な証券マーケットでも、取引所がマーケットメイカーにfeeを支払うことで流動性を高めていた。

27) また、これは個人的な意見であるが、マーケット参加者間には常に情報の非対称性があるため、マーケットメイカーが理論上効率的な計算式に基づいて流動性を作れていたとしても、インサイダー情報を握ったユーザーを相手にする時は格好の餌食になってしまうのである。

28) 株式では特に会社の機密情報が株価に直結するためクリティカルであったが、クリプトでもマーケットメイカーが情報を握ったトレーダーの流動性になることはあり得るだろう。

29) 確かに流動性費用をトレーダーが流動性提供者に支払うため、一見流動性提供はプラスの期待値であるかのように見えるかもしれないが、それは「著しい情報格差が存在しない」という前提の上に計算されている期待値であることを忘れてはいけない。

30) 2023年にはHyperliquidが登場した。これはHyperliquid L1という独自チェーン+無期限先物取引所で、ユーザーはArbitrumから同チェーンにUSDCを送付できる。このDEXはオーダーブック型であり、

31) HLPという運営がマーケットメイキングするVaultが用意されており、ユーザーはHLPにdepositするだけで(運営のマーケットメイキング手法が一流であれば)利益を出すことができる。

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32) また、同年にdYdX v4がローンチされた。これは完全にHyperliuidの競合に該当する独自チェーン+オーダーブックDEX。dydx v4でも運営のマーケとメイキングvaultが設置され、流動性を高めていく計画になっている。

33) 実際に取引してみると分かるが、取引のスピードが非常に速く、ほぼほぼCEXと変わらないUXとなっている。

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34) また、上記オーダーブックDEXの台頭と時を同じくして、Orderly Networkのインフラを使ったPerpetual DEXも多数登場してきた。Orderly Network自体はフロントエンドを持たない純粋なオフチェーンオーダーブックのインフラで、

35) Orderlyの開発キッドを使えば開発者は簡単に無期限先物取引所を作ることができるとされている。この流動性はDEXだけでなくCEXでも利用できる。

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36) さらに、2024年にはElixirというオーダーブックの流動性インフラも台頭してきた。彼らにトークンをdepositすると、それを各オーダーブックDEXでのマーケットメイキングに利用してくれて稼がせてくれるということをコンセプトにしている。

37) 公開されている情報ではUniswapのようなAMMに似た計算式に基づいてマーケットメイキングを行うとされているが、実際にマーケットメイキングで利益を出せるのかどうかは一定期間のトラクションを見てから判断すべきだろう。

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38) まとめると、主要な無期限先物取引所の種類は以下のように分けられる。 ①オーダーブック型 dYdX v4: 独自チェーン+運営MMVault(開発中) Hyperliquid: 独自チェーン+運営MMVault Orderly Network: オフチェーンオーダーブックインフラ(フロントエンドなし) Elixir: 主要AMM類似オーダーブックMMインフラ

39) ② オラクルプライシング型 GMX: LPバスケット Gains Network: LP単一資産 Kwenta: 合成資産 ③ vAMM型 Perpetual Protocol

40) App specific chainとオーダーブックDEX の組み合わせがワークすることが2023年後半あたりから証明されてきたこと、2024年にBTCのETFが承認され、今後オーダーブックに慣れた既存金融勢が参入してくる可能性があることを考えると、

41) オーダーブックDEXでいかに流動性を作れるかという激しい競争がしばらく続くことは容易に想像できる。現に今も各DEXがポイントを餌にしてトレード量を増やそうと試みており、そのキャンペーン期間を引き延ばすプロジェクトも散見されるほどである。

42) しかし、最も重要なのは短期的なポイントキャンペーンよりも、大口投資家が使えるUXと安い手数料、低いスリッページの実現であり、これを継続的に達成したところが多くのユーザーを獲得して流動性を高め、スリッページが低下しさらにユーザーを集めという好循環ループに入ることができる。

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