Published: February 21, 2025
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AI検索のPerplexityのCEOが「OpenAIでのイリヤとの出会い」、「垂直方向への機能拡張」、「Microsoftとの競合」、「Googleの足枷」等について語っていました。以下にまとめます↓ (Y Combinator, 2月22日) --- 【OpenAIでのイリヤとの出会い】 ・OpenAIでインターンした時、イリヤ・サツケヴァーに出会って人生変わった ・ちゃんと準備して面白そうなアイデアを色々持って行ったが、イリヤは5分ほど聞いて「それ全部無駄だね」と言った ・⭐️彼は「重要なのは1つだけだ」と言って、2つの円を描いた。1つは大きな円で「教師なし学習」と呼び、その内側にもう1つの円で「強化学習」と書いて「これがAGIだ。他の研究は重要じゃない」と言った 【垂直方向への機能拡張】 ・⭐️最近出した機能はショッピング分野など、より垂直的・具体的な方向に進んでいる ・例えば「どのセーターが一番いいか」を調べても、最終的に予約や購入するのはGoogleで、そこにお金が落ちる ・⭐️「ユーザーの頭の中にある問題を、疑問からアクション完了まで一気通貫でやれる場所になる」ことが課題 ・⭐️「ジェフ・ベゾスがどの腕時計をつけている?」と聞いたら「Omegaの何か」と返ってきて、その先に製品ページがあって購入ボタンが押せる状態が理想 ・⭐️ただしこれを広告扱いだと思う人もいて、「広告抜きで情報を得たい」アーリーアダプターの理想と「収益化や商取引も要る」マス市場側のニーズの間の緊張がある 【Microsoftとの競合】 ・Googleとの競合はあまり真剣には考えていなかった ・むしろ当初はMicrosoftを気にしていた ・当初はちょうどBingチャットが出るとリークされた時期で、「これはヤバい」と思った ・共同創業者に「ダメかも。会社売ってしまおうか?」とも言った ・しかし仮契約を結んでくれた投資家は「ピボットしろとも言わないし、やり方を変えろとも言わない。そのまま進んでいい」と言ってくれた ・⭐️「Microsoftはコンシューマー向け製品が得意だったとは思えないし、そう簡単に成功はしないだろう」と読んでいて、結果的にその見立て通りチャンスを逃したのではと感じている ・⭐️Googleも抱えている問題があるので、どちらにしても他のプレイヤーが入る余地はある 【次世代のGoogle】 ・最終的に必要なのは小さなモデル、ナレッジグラフ、ウィジェット、LLMによるストリーミング回答、複数ステップ推論回答を全部うまくオーケストレーションする仕組み ・⭐️ユーザーは裏事情を気にしないので、どの場面でどのモデルを使うかはAI側が自動で選ぶしかない ・⭐️この「ルーティング」や「オーケストレーション」を10億人単位で運用しマネタイズする会社が次のGoogleになる ・検索バーを持って、どんなクエリにも「これを使う」と判断し、必要なら追加で質問してユーザーの意図を深く理解し、タスクまで完了させる。従来型のウェブ閲覧もできて、全部がひとつにまとまった体験 ・これは誰にもできないと思うくらい大きな挑戦だが、Googleがすでに作っているものはかなり近い ・だから次世代の検索システムは絶対作れるし、10年か20年かけて粘り強くやれば可能 【Googleの足枷】 ・⭐️Googleは検索企業であると同時に広告企業でもあり、検索は広告のために存在している面がある ・他にもYouTubeやCloudがあり全体で3000億ドルと仮定しても、利益は検索から来ている ・株価的にも検索収益を下げられないという足かせがある ・Geminiや新しいアプリなど色々動いているが、それを既存の何十億人が使うGoogle検索に簡単に載せられるかは分からない 【ユーザーは決して間違っていない】 ・ラリー・ペイジが言っていた「ユーザーは決して間違っていない」という考え方を社内で共有している ・新機能テストでクエリにあいまいさがあった際、エンジニアが「ユーザーがもっとはっきり書けばいいのに」と言ったが、本来は製品の側が「どっちの意味ですか?」と聞き返すべきだと思った ・⭐️プロンプトエンジニアリングをユーザーに教えて「うまく使えないユーザーが悪い」とするのは企業向けソフトウェア的 ・⭐️コンシューマー向けで魔法のように使えるプロダクトにするにはプロダクト側が賢くあるべき ・「1日のクエリ数」が最重要のKPI ・ユーザーとのやり取りは主にX(旧Twitter)で、そこではものすごく率直に本音をぶつけてくれる ・Xでは率直すぎるくらいの意見が深刻なバグや言いづらいことを引き出してくれる 【起業まで】 ・研究もたくさんやりつつAIも取り入れつつ、プロダクト開発にも根ざした会社を作りたいと思った ・⭐️イリヤとも話したが、「AIをやりながらプロダクトも作れる問題は、おそらく2つしかない。それが検索と自動運転だ」という結論になった ・⭐️この2つは製品をローンチするたびに、実利用データがAIを改善するためのデータポイントになり、そこからまたユーザーも増えてデータが増えるというフライホイールが回る ・⭐️AIがより良くなるほどプロダクトもどんどん良くなり、AIが完全に解決されるまで同じ事業を伸ばせる ・逆にAIが進むことで他社に食われるタイプの事業はダメだということ ・検索はまさに「AIが進むほど自分たちも得する」タイプの問題 ・実際にプロダクト化しようとすると、誰もが「Googleがやるでしょ」と言う ・検索はGoogleのど真ん中なので、普通は勝てないだろうと思われていた ・⭐️だが「人々がリンクをクリックしなくなると広告経済が死ぬ」というコアインサイトはリリース後になって気づいた ・そこで「これは何かありそうだ」と思った ・最初はTwitter検索のデモを出した ・そのあと、同じような仕組みを使っていろんなDBを検索できないかと模索した ・⭐️最終的には「モデルがどんどん賢くなる前提で全部丸投げする方が有利」という結論になった ・なのでもっと汎用的なソリューションを作ろうとした 【OpenAI時代のTruthBot】 ・OpenAIで働いていた頃、「TruthBot」というウェブを検索して情報源を添えて答えるボットがあった ・1750億パラメータのGPT-3モデルを使い、リンクをクリックしてスクロールして情報を見る仕組みで、とにかく遅く非効率的だった ・そこで、自分たちはもっと単純なヒューリスティックで速い方法を試した ・検索APIが返す上位K件のリンクを全部取って、そのキャッシュ済みスニペットをプロンプトに入れ、「ソースを引用しながら学術的フォーマットでまとめて」と命令するだけ ・ちょうどGPT-3.5 Turbo系のモデルが出始めて命令遵守が良くなっていたので、これだけでも十分機能するようになった ・⭐️シンプルなアプローチを選んだのは、AIの性能が上がればちゃんと動くと賭けたから ・⭐️フォローアップ質問の機能を追加したら、サイト滞在時間が2倍になり、1日の質問数が指数関数的に伸びていった ・⭐️そこで「これは捨てるには惜しい。エンタープライズ向けにピボットするのはやめよう」と思った

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