クルーグマン「ビッグテックが民主党と民主主義に反旗を翻した理由」面白い論考。大雑把に解説すると、昔のビッグテックは人々から新産業として消極的だが広範な支持を集めていた。それは規制緩和という形で彼らの利益とマッチした。だが、巨大IT産業の様々な弊害、特にSNSの弊害が明らかになり」続
人々の意見は反転し、ビッグテックに規制を求めるようになった(EUのDSA等)。EUに習おうとしたのがバイデン政権で、それに対してビッグテックは、これまで通りの特権を維持してもらおうとトランプ政権に接近を図ったという論考。トランプ政権に近付いたもう一つの理由は富裕層優遇税制と分析(続)
そしてビッグテックは以前は上記の行動で以前はあった支持を失い、寡占経済と専制政治を進める独裁的企業群と多くのアメリカ人から見られているという世論調査のデータから見て、その行動は長期的にはビッグテックを掘り崩すだろうと分析している。現代の米国世論を知る上で必読、面白かった。
原文は「Why Big Tech Turned Against Democrats — and Democracy」。クルーグマン公式サイトで全文無料で読めるよ。少し引用してご紹介 クルーグマン「SNSが、特に子供に深刻な危害を及ぼす可能性があるという証拠が増えている。テクノロジーの恩恵が社会に行き渡らなくなっている十分な証拠もある」
クルーグマン「バイデン政権は、この広範な認識の変化を反映した。多くの米国人がテクノロジー業界とテクノロジーリーダーに嫌悪感を抱くようになっている。この業界の(信頼の)失墜は、まさに劇的なものだ。今では信じられないことだが、昔はテクノロジーリーダーは民衆の英雄とも目されていた」続
「最近の米国人はテクノロジー業界を信頼できる業界とは考えない。保険産業や製薬産業よりマシだが、それでも相当に低い水準(略)『米国人がテクノロジー、特にテクノロジー企業に対して抱く信頼の著しい低下を観測した。この低下は、他のどの産業よりも大きく、広範囲』(ブルッキングス研究所)」続
「『我々が調査した全ての社会人口統計カテゴリー(年齢、人種、性別、教育、党派による違いも調査)において、3つのハイテク企業に対する信頼の平均値が崩壊した』(略)(全ての階層からの信頼を失っているのは)ハイテク王族がどれだけの富と権力を蓄積したかという懸念を反映している可能性がある」続
クルーグマン「コリー・ドクトロウの「エンシティ化」のモデル(まさにそれ!)をもう一度引用する必要がある。『まず、企業はユーザーに優しく接します(略)ユーザーが囲い込まれると、プラットフォーム側は彼らに圧力をかけ始めます。エンドユーザーとビジネス顧客の持つ価値をどんどん搾取し」続
クルーグマン「『最終的に残るのは、プラットフォームに全員を囲い込む為の最低限の価値だけになる』(ドクトロウ)ザッカーバーグがSNSが引き起こす被害から子供を守るための超党派による法案を阻止したことも忘れてはならない(略)バイデン政権はテクノロジー業界を通常の産業として扱おうとした」続
「それは通常の監督と規制の対象になるということだ(略)(新産業としてこれまで治外法権に置かれていた)彼らは激怒し、多くはトランプ氏の下に付いた(略)だが、トランプ氏に付いたテック業界は、ひどく後悔することになるだろうと、私は予想している」 凄く面白い論考だった。ご一読お勧め!
@kemohure いいですね。自分の意識変化と同じで安心しました。
